何それ、鬱病?

『病気』と『怠惰』を判別できる方法があればいいのに。そもそも、どこからが病気で、どこまでがやる気がないだけなのか。自分は『社会生活に支障が出れば病気』と思ってるけど、どこからが支障なんだよって自分で突っ込んでしまう。

『社会生活に支障が出る』とは『普通の生活をこなすのが難しい』ことを指すんだと思うんです、多くの場合*1。昔は地域住民や職場の結束が強く、また、みんなの価値観も今より画一的だったから『普通』はイメージしやすかったと思います。普通の家庭、普通の能力、普通の応対などなど。でも今は、あまり他人に関わらないのを良しとする人が増えてきてるんじゃないかな。当然、他のみんなが何を考えているのか分からない、もしくは、他の人も自分と同じだろうと思い込みやすい。
つまり『社会生活から外れるって何のことか分からないよ、とりあえず、俺は生きにくいよ』ってなるんだと思う。そして、自己PRの上手い下手、語調の強さが、心の病の診断をさらに難しくしてるんじゃないかな。

この人ほんとに病気なの?という疑問は口にしないのが大人のマナーだけど、これはやりすぎだろというのがあったので、考えさせられてしまった。

働くのが辛いから生活保護を貰いたいと訴えるその人に同情しつつ、どのような処方を貰っているのか聞いてみると、
「不安時にリーゼ」
というような答えを返されて、
「なにその話」
と、あっけにとられることがある。
(中略)
そんなに辛いなら先生と相談してもう少し効き目の強い薬に変えてもらえば、と提案すると、あっけらかんと、
「薬に依存するようになったら嫌だから」
といった返事をされて、このへんで猛烈に腹が立ってくる。

●第159回● 被害者であることで得をする時代 - 文藝春秋編 日本の論点:山崎マキコの時事音痴

引用した記事でも紹介されているけど、「心の傷」は言ったもん勝ち (新潮新書 270)はよく言ったと思う。ただ、この著者はブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問うなんて本も出してる・・・。タイトルインパクト本かと思ったらガチだし。


「心の傷」は言ったもん勝ち (新潮新書 270)
中嶋 聡
新潮社
売り上げランキング: 1555
おすすめ度の平均: 3.0
1 主張はわかったが治療法は?
5 この筆者の診察は受けたくない、と言う方もあるようだが
1 この先生の診察は受けたくない・・・
5 現代社会における精神構造の変貌
4 人によって物差しは変わります

ブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問う
中嶋 聡
春風社
売り上げランキング: 4045
おすすめ度の平均: 2.0
1 独善的で不愉快な内容
3 個人権利主張の趨勢への論駁
1 発想自体が勘違い
1 タバコについて
2 一読の価値あり しかしあまりにも一面的

ちなみに生活保護

個人が貧窮しても貰えるみたいです。TomOneさんのところで言及されてたので。
個人が貧しくなっても実家がある人は実家に戻れと言われると思ってたのですが、そうは言われないらしい。生計が独立してれば、お役所的には実家は他人と同じということなのか。これを利用して、実家から出て生活保護を申請しようとする人もいるみたい。

*1:僕は医者じゃないので正確ではないです。ここでは、明らかに病気の人を除いて、社会生活に疲れすぎて病気みたいになった人を指すことにします。